合気道小林道場 Aikido Kobayashi Dojo

その20 平成17年4月

 合気道小林道場は昭和六二年に日本武道協議会より優良団体の表彰を受けました。そして道歴五十年の今年、同じく武道協議会より私個人に武道功労賞を受賞しました。今までに団体と個人と二つの表彰を受けたのは武道界では始めての事なので非常に名誉な事と思っております。

 日本武道協議会というのは昭和五二年に発足し、合気道だけではなく、柔道、剣道、弓道、相撲道、空手道、少林寺拳法、銃剣道の10団体で組織され、各武道の奨励とその精神の高揚、そして健全な国民の育成および世界の平和と福祉に貢献する事を目的にしています。

 昭和五六年より各武道の振興に寄与し、特に著しい成果を挙げた個人と団体に対しその功績を称え、永久に顕彰するため「武道功労表彰」を行っています。

 私の基本理念は「一人でも多くの人の合気道を知ってもらい、稽古してもらう事」です。合気道本部道場に入門し稽古を始めた私は、多くの人達との出会いにより大きく成長させていただきました。不世出の武道家、合気道開祖植芝盛平翁先生、合気道を国内はもとより海外にまで広めた二代道主植芝吉祥丸先生、個性豊かな先輩師範、兄弟弟子達そして合気道が自分の仕事や芸に役たてる為に修行に来る人達、この様な人達に未熟な私は本当に多くの事を学ばせていただきました。

 小平の自宅に昭和四四年四月に道場を多くの人の協力で開設しました。初めは大学合気道部の学生達の鍛錬の場として発足しましたが、地域の人達の要望により、社会人、婦人、学生達そして子供達にまで輪が広がりました。地域も埼玉、神奈川、千葉を中心に群馬、福島、宮崎、富山などにも広がっています。私の合気道一筋の姿を見て内弟子修行を希望する者も多く出ました。仕事を持ちながら合気道の普及に協力して下さる人も多いです。特に私を感激させてくれる事は、子供クラスで合気道を始めた人達が、今では合気道小林道場の立派な指導者として育ち指導部の中核になった事です。

 海外にも合気道小林道場の輪が広がり交流している国の組織、団体は二十カ国になります。海外との交流が始まって三十年以上になりますが、プロの合気道家になった者や立派な指導者に育った人も各国にいます。世間では余り話題になりませんが、武道は日本の伝統文化として、海外で高い評価を受けています。特に合気道は教育程度の高い人達に多くの支持者があります。私の「一人でも多くの人に合気道を」の努力も微力ながら成果を挙げてきているようです。

 日本武道協議会が定めてある武道憲章には、「武道は、武技による心身の鍛練を通じて人格を磨き、見識を高め、有為の人格を育成することを目的にする」とあります。これからも、合気道を通じて明るい愛と平和の有る世になるよう努力していきたいと思います。


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