合気道小林道場 Aikido Kobayashi Dojo

その23 平成17年10月

会津合気会10周年記念演武会と講習会が会津総合体育館で8月26〜27日に開催され、招待されました。会津合気会は小平道場と東大和合気会で稽古していた沖康夫師範が責任者としてまとめています。沖師範は2人のお子さんが喘息のため東京より空気の良い、奥さんの実家のある会津若松に転居しました。沖師範自身は単身赴任で東京に残り、土日に帰郷し家族で体育館を借り子供達の運動のため稽古をはじめました。これが会津合気会の始まりです。家族で楽しそうに稽古している姿が人を呼び、会津、郡山、猪苗代、安積各地に広がりました。今回演武会に参加した人は150人、講習会に参加した人は100人でした。10年でこんなに大きな組織になりました。演武会に参加した50人近い子供クラスの参加者の内9名から感想文が送られて来ました。

もっと練習して上手になりたい。道場で友達の大切さを知った。師範の先生方の演武をみて驚き、感動した。合気道の足捌きの重要性に気づいている子もおりました。また、一生懸命稽古し合気道の先生になりたいと書いてあり驚かされました。1時間以上もの大人達の演武中、あまりおしゃべりもせずおとなしく見学していたので感心していました。

小林道場で指導している東京近郊の子供クラスでは、なかなか1時間以上もあまりおしゃべりもせずに見学する事はできません。田舎の子供達の方が礼儀正しいと私達東京から参加した師範の人達は言い合っていました。しかしその子供達も正座は苦手だったらしく、感想文には大人達の演武中正座をさせられ足が痛かったのは嫌だったと何名かの子供達が書いていました。 

今の家庭では日常生活において正座をする事がほとんど無くなりました。正座する機会は減りましたが訪問先が和室や葬儀の時などは正座しなければなりません。正座を長時間するためには、慣れるのが一番良い方法です。

私が本部道場の内弟子時代に、合気道創始者植芝盛平翁先生が指導される時には古事記や神道の話を30分、40分されます。翁先生は武道家でもあり、また宗教家でもあります。先生の話の間は、内弟子以下稽古に来ている人達全員もちろん正座です。足は完全にしびれてしまいます。しかし内弟子は先生の受けに何時呼び出されるか分かりません。しかも他の門弟達に注目されています。どんな時でも先生の受けができなければなりません。普段から正座の訓練をし、食事や読書など正座して生活するようにしていました。これにより分かった事は足腰の鍛錬方法として非常に良い事です。正座して背筋を伸ばして呼吸すれば瞑想法としても優れていると感じられました。

合気道の鍛錬方法の一つに座技、お互いに座って技を掛け合う技があります。又相手が立って攻撃してくるのを座技で捌く半身半立技も有ります。植芝盛平翁先生は足腰の鍛錬にこれらの技を奨励されました。私は人の何倍か鍛錬し座って自在に動ける様になりました。私が現在あるのはこのお陰と思っています。植芝盛平翁先生が直接に指導を受けた諸先生方がほとんど亡くなっています。また、厳しい鍛錬で膝を痛め、座技が出来ない先生も結構多く見受けられます。元気な私が座り技の伝統を一人でも多くの人に伝えて行きたいと考え実行しています。皆さん座り技を稽古しましょう。


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