私の合気道暦五十年を東京九段のグランドパレスホテルで国内、海外各国から多数お集まり頂き、また、数々のご祝辞、記念品を賜り、心より感謝しております。
私が柔道を始めたのが小学生。暫くは柔道一筋でしたが、柔道仲間から高校三年の時、当時殆ど世間には知られていなかった合気道を教えられました。合気道本部道場に入門、合気道を始めたのは昭和三十年四月末大学入学後です。ここで今後二度と現れないと言われる天才武道家、合気道創始者植芝盛平翁先生、国内はもとより海外各国に合気道を普及した二代道主植芝吉祥丸先生に師事、武道家としての心身の修行、道場経営の基本を指導部員の一員として叩きこまれました。また先輩、同期、後輩の内弟子、通いの門弟達と切磋琢磨しお互いに鍛え合いました。
この様な素晴らしい人達に出会い、これにより母を早く亡くし、学業でも劣等感に悩まされていた私が大きく変わり、全ての物事に明るく積極的に取り組む性格になる事が出来ました。
そしてこれが昭和四十四年春、東京都小平市の自宅に合気道小林道場を開設した事につながるのです。大学合気道部員の為発足した道場が、地域の人々と結びつき東京の郊外三多摩、埼玉、神奈川、千葉を中心に地方、そして海外まで環が広がりました。
勿論一人の力では何も出来ません。家族は言うに及ばず、合気道を愛する人達との出会いで、ここまで来られたのです。「人との出会い」私はこれが人生の全てではないかと思います。合気道を素晴らしい武道と思い愛してきた人達が、私を支えくれました。そのお陰で五十年も合気道を続けられました。皆様のご支援心より感謝しております。(「私と合気道」はお休みです)