合気道小林道場 Aikido Kobayashi Dojo

その24 平成19年4月

先日、読売新聞の埼玉版に次の様な記事に目がとまりました。さいたま市では体育の授業で実技の模範を示す「体操のお兄さん、お姉さん」をすべての市立小学校に1年間派遣する、そうです。

小学校は担任が全教科を教えるのが原則だそうですが、さいたま市では50代の教師が全体の4割を占め、器械運動、体操、水泳での実技指導ができないのでとの理由です。

「体育授業サポーター」と名付け、埼玉大学の体育専攻の学生10名とその他子供達を指導した経験のあるスポーツインストラクターで教員免許の有無は問わずに受け入れるとの事です。私は埼玉大学合気道部の師範をしていますので指導した学生が「体育授業サポーター」に選ばれるかも知れません。

私は小学校が勉強ばかりでなく体育に力を入れるのは大変良い事だと大賛成です。小学校の3年生頃から運動神経の発達が確立されだします。あまり小さい頃から特定のスポーツ、競技に限定する事無く小学生時代は全般的な運動を多くやるべきだと思います。

二十年位前は学校が終わると道路や空き地で子供達が群れをなして走り回っていたり、キャッチボールをしていたりして遊ぶ姿が見受けられましたが今は全然見かけません。あまり広くない公園では野球禁止、サッカー禁止、00禁止と子供達の好んで遊ぶ事は全て禁止だらけです。公園に行ってもつまらないので遊びに行かなくなっています。電子ゲーム機の影響も大です。一人で遊べてしまうからです。子供達をもっと身体を動かす機会を積極的に与えるべきです。学校でも、街の公園でも大人達が子供の遊びを見守り、多少の冒険的行為は大目に見て身体を動かす機会を与え、運動する喜びと楽しさを体験させればと考えています。

合気道小林道場の指導員が小平市にある二カ所の小学校PTAから呼ばれて、五・六年生を対象とした護身術を教えて欲しいとの要請がありました。近年子供達に対する事件が増えていますのでPTAの役員は合気道が何か役に立てばとの親心だと思います。

一時間という短い時間ですので、「知らない人に付いていかない」「危険な時は大声を出す」等基本的な事を少し話し合気道の身体の動かし方、持たれた手の外し方、受け身等を同行した埼玉大、明治大、そして東京経済大の合気道部員の協力で無事授業を終え大好評との報告を受けました。学校も積極的に外部から特別な講師を呼び子供達に普段と違った体験をさせるのは非常に刺激になるのでは無いかと思います。

合気道小林道場では子供クラスに非常に力を入れています。4才〜小学校6年生までを子供クラスとして指導しています。私が子供クラスを指導し始めたのが1969年4月からですから、現在まで何千人もの子供達が合気道小林道場直轄、傘下の道場で学んで行き、現在でも学んでおります。単に合気道の技だけでなく遊びながら体力増強ができる補助体操を組み入れて、基礎体力、運動能力の開発を計っています。

体力の増強だけでなく合気道は伝統有る日本の武道の一つです。すばらしい日本の伝統文化引き継いでいます。基本的な礼儀正しさを身に付け、心身を鍛える要素をたくさん持っています。 日本武道協議会制定の「こども武道憲章」が武道による子供の健全教育を声高らかにうたっています。ここにその一端をお紹介します。

武道は、技をみがくことによって心身をきたえ、強くたくましく、勇気と思いやりと正義感を持った、社会に役立つ人になることをめざします。

稽古するときは、先生の教えや礼儀を守り、基本を大切にし、技だけでなく心と体も供にきたえるように、一所懸命に励みます。

現在小林道場の指導部員の多くは子供クラスで合気道を学びました。学校卒業後他の仕事に就きましたが、合気道の魅力にとりつかれ専門の先生に成った人達です。国内ばかりでなく海外各国にも多く指導にいき尊敬されている人材が揃っています。合気道小林道場の学生、一般社会人の指導ばかりでなく子供クラスも素晴らしい指導をしています。日本の将来を背負う子供達の教育の一端を担っていると自負しています。

今後も合気道小林道場の基本方針である一人でも多くの人に合気道を普及するという考えを基本とし、もっと子供達の合気道による教育に力をいれ、合気道を通して日本の伝統文化を身につけた、世界のどの国に行っても尊敬される人になってほしいと考えています。


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