合気道小林道場 Aikido Kobayashi Dojo

その6 平成9年10月

 韓国合気会が、今年9月にソウルで、合気道の国際演武大会を開催します。参加国は日本、韓国、中華民国の三ヶ国です。小林道場は、私と畑山憲吾師範、小柳俊一郎指導員を含めて25名で参加し大会を盛り上げます。

 これまで合気道小林道場が開催した海外合宿は国別でみると台湾が一番多く、何度行ったか覚えきれないぐらいです。ある時は、一度に80名も参加し、植芝吉祥丸道主にも同行して頂きました。

 その他アジアの国はタイ、シンガポール、インドネシア、香港、マカオなどで、またアメリカでは、ハワイ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、カナダのカルガリー、バンフです。ヨーロッパではドイツ、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、ハンガリー、エストニア、ポーランドで、南米はブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、さらにはオーストラリアまで、私たち指導員と会員の人達で各地の道場へ稽古と観光を兼ねて行って来ました。

合気道小林道場が海外の組織や道場と広く交流があるのは、

  1. 私が本部道場指導部員時代の先輩、後輩が色々な国で指導しており交流がある。
  2. 合気道小林道場に入門した人達が、転勤や技術移転などで海外に行き指導している。
  3. 合気道小林道場に入門した外国人が母国に帰り合気道の道場を開いた。
  4. スウェーデン、フィンランドなどはそれぞれの国の若い優秀な人達が合気道小林道場に半年〜一年と住み込んで修行をし、その人達が現在組織の中心として活躍している。
  5. 合気道小林道場が活発に外国の組織や道場と交流しているのを知り、指導を求めて交流が始まった。

などがあります。

 海外合宿はその国の記念演武大会や講習会などに合わせておこなったり、また、会員の参加しやすい連休とか夏休み期間におこなっています。

 海外合宿では、毎回お国柄を感じさせる経験が、貴重な思い出となって残っています。台湾での演武会は入り口から通路一面に花が飾られ、爆竹が鳴る中での演武会、シンガポールではディスコ音楽をバックにデパートでの吹き抜けホールでの演武、ドイツ合気会三十周年記念の講習会は屋内競技場に畳を引き詰め、ヨーロッパ各国から1,000名が参加しました。インドネシアのスンバワ島の道場では、椰子の実をほぐした繊維を麻袋に詰めたマットの上で稽古をおこないました。イスラム教徒が多くベールを被った女性が稽古に参加したのには驚きました。カナダのバンフでの合宿は、ホテルから道場に通う道で野生の鹿やエルクに出会ったり、朝稽古の時、昨夜コヨーテが出たから注意するように呼びかけられたりしたこともあります。

 単に稽古場からでなく、パーティーや現地の会員の家にホームステイして、本当に仲の良い友達に成った人達もたくさんいます。

 現在、日本人は一年間に1,200万人外国に仕事、観光に出かけております。ツアーの観光だと、無駄なく忙しく多くの所にガイド付きで見学出来ます。しかし現地の人達と直接接する機会はほとんどありません。私たちは合気道という共通の事が有ります。合気道を通して共に道場で汗を流し交流すれば心と心が触れあいます。稽古と稽古の合間には、その土地の道場性の案内で観光もできます。私は同じ時間と費用を使うなら、合気道を通して行かれた方が何倍も貴重な良い経験ができると思います。

 皆さん、是非海外合宿に参加して、ひと味もふた味も違った海外を経験してみて下さい。そして、合気道の良さを再確認していただければと思います。


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